医療事故につながる可能性のある危険な薬に注意!今回は、ハイリスク薬を取り扱うときに看護師が留意すべき薬剤情報について解説します。投与直前・直後の注意点も確認しましょう。
看護師が薬剤取り扱い時に注意すべきことは?
2008年に下記事例のような取り違え事故が発生しています。医師の処方の間違いを看護師が気づける可能性もあった事故ですが、結局はそのまま投与されてしまいました。
事例 薬剤の取り違え事例(2008年11月)1
●医師がステロイドのサクシゾン®(ヒドロコルチゾン製剤、現・ヒドロコルチゾンコハク酸エステルNa注射用「武田テバ」)を処方する際に電子カルテ上で誤ってサクシン®(筋弛緩薬:現・スキサメトニウム)を選択。
●指示を受けた看護師Aは「解熱目的で処方された抗生剤」と思い、看護師Bは「初めて使うが、こんな使い方もあるのか」と思いながら一緒に確認。
●そのまま看護師Bにより投与。
●患者さんはその後、呼吸抑制状態となり死亡。
このような事故を防ぐためにも、看護師は薬剤を扱ううえで、次に挙げる点について答えられるようにしておく必要があります。
①処方の指示が出たとき
●医師から指示が出たとき、「何を」「誰と」「どのように」確認する?
●投与前・投与時・投与後の効能・副作用や注意点を知る方法は?
●筋弛緩薬やステロイドなどの効能・副作用や注意事項についての予備知識はある?
●ハイリスク薬の表示がある薬剤を処方されたとき、何を確認する?
●いつもと使い方が違う薬や、初めて使う薬が処方されたとき、どんな行動をする?
●初めて使う薬について、指示した医師へどのように確認する?
②投与直前
●投与直前は、何を確認する?
➂投与後
●投与後の観察ポイントは?
ハイリスク薬の処方の指示が出たときの確認事項
1)使用する薬が「ハイリスク薬」であるかどうか、薬剤情報などで確認する
医師から薬剤の指示が出たときは、ペアの看護師またはリーダー看護師、指示した医師などと、使用する目的(効能)、副作用や観察内容、実施後の医師への報告のタイミング(“いつ”“どのような症状のときに”)について確認します。初めて使用する薬剤である場合も、これらのことについて医師に確認しておきます。
ハイリスク薬は表示されているものだけだと認識しないようにしましょう。急性期を担う一般病院やリハビリテーション病院といった病院の機能や、病院の購入薬剤によりハイリスク薬の表示が異なっていることもあります。初めて使う薬がハイリスク薬である可能性もあります。そのため「効能」「副作用」「注意事項」を、薬剤情報や文献を使って自分で必ず確認する習慣を身につけましょう。
また、医薬品には「一般名(成分名)」と「商品名」の2つの名前があります。一般名は成分に1つだけですが、商品名はメーカーごとに名前が異なるため(ジェネリック医薬品も多い)、商品名のみで覚えないようにしましょう。一般名や効能も調べる必要があります。
さらに、病院の採用薬のうち、薬剤部が「ハイリスク薬」と指定している薬剤の注意事項は必ず読むようにしましょう。
2)その患者さんにとって危険がないかを考える
薬剤の処方が出たら、“その患者さんにとっての効能・副作用・注意事項”を調べるようにしましょう。ハイリスク薬であるという表示がなくても、“その患者さんとっては”有害となる場合もあります。
3)投与速度や投与量の注意点を確認する
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