これだけは気をつけたい看護ケアのポイントを取り上げます。今回はシリンジポンプを設置する位置について。サイフォニング現象による薬剤の大量注入や点滴スタンドの転倒など、高い位置に設置することによる危険性を解説します。

シリンジポンプの高い位置への設置は危ない!

 治療でシリンジポンプを使用する機会は増加していると思います。特に「カテコラミン」「降圧薬」「抗凝固薬」などの薬剤を、シリンジポンプを用いて微量で投与していることが多いでしょう。

 シリンジポンプを点滴スタンドにセッティングする際、定期的な観察やシリンジの交換などの管理がしやすいため、患者さんより高い位置にシリンジポンプをセッティングしてしまうことが多くあると思います。また、シリンジポンプの台数が多いとセッティング位置に困り、高い位置にシリンジポンプをセッティングしてしまうことがあります。
 このとき、以下の“危険な状態”が起こりえます。

①薬剤の大量投入

 サイフォニング現象(後述)により、微量で投与するはずの薬剤が多量に投与されてしまい、患者さんの状態に大きな影響を与えてしまいます。特にカテコラミンなどは、循環動態に大きな影響を与えるため危険です。

②点滴スタンドの転倒

 点滴スタンドの重心の位置が高く倒れやすくなり、それにより機器の故障や、患者さんのほうに倒れた場合には患者さんが負傷する危険性があります。

サイフォニング現象とは

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