人工呼吸器使用中、痰の粘稠度が高く加湿が必要な場合の方法とは?人工鼻や加温加湿器といった機器の選び方や注意点、人工鼻使用の禁忌などを解説します。

Q. 人工呼吸器を装着中、痰の粘稠度が高く加湿が必要な場合、どのように行う?

ひとこと回答
まず気道の適切な加湿を行うため、人工鼻や加温加湿器を使用します。ただし、人工鼻と加温加湿器の併用は禁忌です。
脱水傾向がある場合、気道の乾燥が進み痰の粘稠度が高くなるので、体内の水分バランスなどを考慮します。

 人工呼吸器を使用中の患者さんは気管チューブが挿入されているため、上気道を経由して乾燥した吸入ガスが直接気管に流入します。
 このため、気管・気管支の上皮細胞が損傷されたり、線毛運動が傷害されます。その結果、喀痰が粘稠になり無気肺を生じたり、気管チューブの狭窄または閉塞が起こります。

 これらを防ぐために、人工呼吸器を装着した場合には、人工鼻や加温加湿器を用いて、必ず吸入気に適切な加温・加湿を行うことが大切です1

 人工鼻使用の禁忌(下記参照)2に当てはまらないようであれば、感染面や取り扱い、コストパフォーマンスを考慮して人工鼻を第一選択とするのがよいでしょう。

人工鼻使用の禁忌

①大量の気道分泌物がある患者
②粘稠度の高い痰を喀出する患者
③血性の気道分泌物のある患者
④低体温療法中の患者(<32 ℃)
⑤完全に自発呼吸下で、分時換気量が多い(>10L/分)
⑥呼気時の 1 回換気量が吸気の70%以下である患者
(文献2・p60より引用)

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