【第5回】予防:浮腫がとても強いとき①の症例について、引き続き予防ケアを紹介します。

やわらかく底づきしない、厚みがあるクッションでサポート

 浮腫は組織間質液が増加している状態で、末梢への血流が不足しやくなります。浮腫がある足は、その重さで踵への負担が増します。

 また、浮腫による皮下組織の厚みがあるために、接触部に圧迫とともにずれが生じやすくなります。 そこで、沈んでも底づきしにくく、やわらかく肌触りのよいクッションを使用します(図1)。中の素材をずらし、厚みを調整しましょう。

図1 厚みのあるクッションの例
ロンボ ポジショニングクッションRF5(輸入元:ラックヘルスケア株式会社、総発売元:株式会社ケープ)

 足先が伸びると踵が潰れやすくなるため、足底をクッションで支えます。浮腫が増強しないよう、足先が低くなりすぎないように、クッションの厚みや挙上角度などを調整します。

 姿勢や下肢の自然な屈曲姿勢を考慮して、10°前後でクッションと組み合わせて調整しています(図2)。

 浮腫の原因によって対策が異なるため、医師と情報交換を行いながら実施することが大切です。

図2 足先が低くなりすぎないよう、クッションの厚みやベッドの挙上角度を調整
1. 間宮直子:浮腫.一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会 編.スキンケアガイドブック.照林社,東京,2017:58-63.

症例写真でわかる!褥瘡・創傷ケア【第7回】皮膚の浸軟が著明なときの予防

この記事は『エキスパートナース』2018年6月号特集を再構成したものです。
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