悲がん患者さんの痛み・苦しみにはどのように介入すればよいのでしょうか。今回は、包括的アセスメントの流れや、アセスメントに役立つ包括的症状評価ツールについて解説します。
疾患ごとに症状は多様なため、包括的症状評価ツールを活用
アセスメントの際は、がん患者と同様のアプローチを行う
患者さんは全人的苦痛(【第6回】図1)1を抱えています。そのため、包括的アセスメントにより多方面からケアを行う必要があります。
包括的アセスメントの流れを図12に示します。
がん、非がん疾患にかかわらず、この流れを参考にケアを行う。
図1 包括的アセスメントの流れと評価項目

これは、がん、非がんを問わず共通した内容であり、非がん患者の緩和ケアでも、がん患者と同様のアプローチを行うことが求められるため、非常に重要です。 患者さんの症状を苦痛の評価に関しては、「身体的」「精神的」「社会的」「スピリチュアル」の4つの側面それぞれに対してケア介入を行うことで、患者・家族の苦痛の軽減をめざします。
非がん疾患ごとでみられる症状の違いを把握する
非がん疾患ごとに苦痛症状の有症率にはばらつきがあり(表1)3、1人の患者さんで複数の苦痛症状がみられる場合がほとんどです。疾患ごとに頻度の高い症状を知り、その緩和方法に習熟することが、各疾患の緩和ケア看護への近道です。
表1 臓器不全型の各疾患における苦痛症状の有症率(%)
この記事は会員限定記事です。