【第1回】鎮静の合併症
【第7回】PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)の注目点
【第9回】処置鎮静に用いられる薬剤②
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鎮静薬を適切に使用することは簡単ではない

 「鎮静を安全に行うためには、投与方法のプロトコルを決めて毎回同じ方法で投与すればよいのではないか」と考える方もいるかもしれませんが、現実にはなかなか困難です。

 その1つ目の理由は、「鎮静」を必要とする検査や処置の種類によって、求められる鎮静方法が同じではないということです。

 例えば、小児のMRI検査では痛みはないため意識をとるだけで十分ですが、上部消化管内視鏡では咽頭への強い刺激があるので意識をとるだけでは不十分です。さらに、“診断的”内視鏡と“治療的”内視鏡では、内視鏡自体の太さ、処置の時間、途中で加わる侵襲も異なるため、鎮静方法を変える必要があるのです。

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