輸血の指示が出たとき、注意したいポイントをQ&Aでわかりやすく解説。今回は、「輸血製剤を受け取るとき」「輸血を実施するとき」に確認するべきことを紹介します。

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Q. 「輸血製剤を受け取るとき」「輸血を実施するとき」、何を確認する必要がある?

Answer
●まず輸血する患者本人である確認を
●払い出し伝票と輸血製剤で“血液型”“製剤の種類”“ロット番号”等の読み合わせを

輸血製剤の確認事項は?

 輸血製剤の確認は以下のような場合に行われます。

1)輸血部門から輸血製剤が払い出されるとき
2)払い出された輸血製剤の受け取りを病棟(あるいは外来)で確認するとき
3)ベッドサイドで輸血を実施するとき

 それでは何を確認すればよいのでしょうか。
 そもそも、輸血を行うとはどういうことか、ちょっと考えてみましょう。

 「血液成分が欠乏している患者さんに対して」「不足している血液成分が含まれていて」「輸血検査で適合と判定された輸血製剤(赤血球製剤、血漿製剤、血小板製剤)を」「必要な量(単位数)だけ」補充して、患者さんの状態改善を図ることが輸血の目的ですね。したがって、輸血を行うときの確認項目を表1に示します。

表1 輸血実施時の「確認項目」および払い出し伝票と輸血製剤の「読み合わせ確認箇所」

輸血実施時の「確認項目」および払い出し伝票と輸血製剤の「読み合わせ確認箇所」の表

払い出された輸血製剤の確認ポイントは?

 では、状況ごとに確認していきましょう。

1)輸血部門から輸血製剤が払い出されるとき

 輸血部門から輸血製剤が払い出されるときには、検査技師と看護師が2人で声を出して読み合わせて確認することが多いと思います。

 表1の①~⑤の項目に注意しながら、輸血払い出し伝票と輸血製剤の読み合わせ確認を行い、輸血製剤を受け取ります。

 ①の「輸血を実施する患者本人であること」の確認は、カルテや電子カルテで患者情報(患者氏名や血液型)を確認するようにしましょう。

 ②の「輸血製剤の種類」の確認では、医師の輸血指示内容をきちんと把握しておくことが必要です。また、1名の患者さんに“赤血球製剤”と“血小板製剤”など複数の種類の輸血製剤の使用が予定されていることもありますので、製剤を間違えないよう注意が必要です。

 ③の「輸血製剤の量(単位)」についても医師の輸血指示を確認しておくことが大切です。④と⑤については、輸血部門で作成される輸血伝票の記載事項と、払い出される輸血製剤を見ながら輸血製剤の血液型やロット番号の読み合わせ確認を行います。

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