退院後の生活を見据え、患者さんの自立のために実践できる“ちょっとリハ”とは?今回は、自分ではまったく体位変換ができない人について、動作改善を支える体位変換の方法を紹介します。

 自分ではまったく体位変換できない人に介助を実施する際は、声をかけながらゆっくりと、支えている面を実感できるように行いましょう。

 本人の準備がまったく整っていないなかで、他人から動かされる体位変換は恐怖以外の何ものでもありません。それ以降、身体を動かされるだけでも防御的に身体を硬くし、叫び声をあげるようなことにもなりかねません。またよけいな力を入れることで、痛みを訴えたり介助量が増したりします。

タオルを用いることで“安心感”が“安定感”につながる

 市販でも介助を行いやすくする用具は販売されていますが、ここでは新たに購入しなくても簡単にできるように、タオルを用いた体位変換のポイントを紹介します。少ない人数で行わなければならないときにはタオルの使い方1つで、患者さんの恐怖心を取りのぞけます。ゆっくりとタオルが背中や肩、殿部に密着するよう、姿勢を変えていきましょう図1)。
 ただし、褥瘡リスクが高い患者さんの場合はズレの原因となるため注意が必要です。

図1 タオルを用いた安定した体位変換のポイント

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