この記事は『エキスパートナース』2014年9月号特集を再構成したものです。
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 口腔内が血液汚染で充満していると、出血を避けるために、口腔ケアが不十分となりがちです。
 しかし、口腔内に血液汚染が停滞すると、血液を栄養素として歯周病菌が増殖し、口腔内からの二次感染につながる可能性があります。
 そのため、原因を的確に捉えたうえで口腔ケアを行う必要があります。出血しやすくなる要因を以下に示します。

口腔内の出血の要因
<全身的要因>
血小板の異常
●免疫血液疾患
●化学療法
●免疫抑制剤副作用(骨髄抑制)
●放射線治療

血管の異常
●老人性紫斑病
●壊血病
●遺伝性出血性毛細血管拡張症

血液凝固因子の異常
●血友病
●播腫性血管内凝固症候群(DIC)
●重症肝硬変

抗凝固療法、抗血小板療法
●ワーファリン、バイアスピリン®、パナルジン®などの使用

<局所的要因>
歯周病
口腔乾燥
外傷
口腔がん

●進行性の悪性腫瘍は脆弱で易出血性であるため、生理食塩水を濡らしたガーゼで保護し、正常な部分を重点的に清掃する

(文献1より引用、一部改変)

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