毎日行うからこそ、さらにいい方法があれば知りたい口腔ケア!今回は口腔内で出血する原因と対応について、詳しく紹介します。出血傾向(全身的原因)の場合と、歯周病などによる出血(局所的原因)の場合、それぞれ確認しましょう。
この記事は『エキスパートナース』2014年9月号特集を再構成したものです。
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口腔内の出血の原因は?
口腔内が血液汚染で充満していると、出血を避けるために、口腔ケアが不十分となりがちです。
しかし、口腔内に血液汚染が停滞すると、血液を栄養素として歯周病菌が増殖し、口腔内からの二次感染につながる可能性があります。
そのため、原因を的確に捉えたうえで口腔ケアを行う必要があります。出血しやすくなる要因を以下に示します。
口腔内の出血の要因
<全身的要因>
血小板の異常
●免疫血液疾患
●化学療法
●免疫抑制剤副作用(骨髄抑制)
●放射線治療血管の異常
●老人性紫斑病
●壊血病
●遺伝性出血性毛細血管拡張症血液凝固因子の異常
●血友病
●播腫性血管内凝固症候群(DIC)
●重症肝硬変抗凝固療法、抗血小板療法
●ワーファリン、バイアスピリン®、パナルジン®などの使用<局所的要因>
歯周病
口腔乾燥
外傷
口腔がん
●進行性の悪性腫瘍は脆弱で易出血性であるため、生理食塩水を濡らしたガーゼで保護し、正常な部分を重点的に清掃する(文献1より引用、一部改変)
出血傾向(全身的原因)の場合
原因は?
出血傾向となる原因には、血小板の異常や血管の異常、血液凝固因子の異常、抗凝固療法などの治療に関連したものなどさまざまです。
まずそれらの原因についてアセスメントし、口腔ケアについてどの程度のリスクがあるか確認しましょう。
出血傾向の主な指標として挙げられるのが血小板数です。150,000~350,000μLが正常値であり20,000/μL以下になると止血困難になることが多いようです(下記参照)2。
血小板数と口腔ケア
通常通り対応
>50,000/μL
慎重に対応
20,000~50,000/μL
相対的禁忌
<20,000/μL
(文献2、p146より引用)
しかし急激に血小板数が減少するような場合を除いて、適切なケアがされていれば、10,000/μL以下であっても自然止血することは少なくないと思われます。そのため、出血傾向だからといってケアを中断するのではなく、出血させないようにきめの細かいていねいなケアを検討しましょう。
ほかにも出血傾向の指標となる検査と、その正常値を表1にまとめます。
表1 出血傾向の検査と正常値

どう対応する?
出血傾向が原因の場合、全身的なアプローチ(出血傾向の原因の解決)をしながら、さらに出血をさせないようにやさしく汚染を除去します。
歯ブラシは口腔粘膜への刺激を最小限に抑えるため、毛先が柔らかく細いもので、ヘッドが小さいものを使用します。ブラッシングは歯肉を刺激しないよう、歯肉部に指を添えて、毛先を少し歯冠方
向に向けて行います3(図1)。
図1 出血しやすい場合のブラッシング

また、汚染が残存しやすい歯冠と歯肉の間(歯肉溝・歯周ポケット)は、歯肉を傷つけやすいため、より慎重にブラッシングをする必要があります。1 本磨き用ブラシ(図2)を使用するとブラッシン
グをする場所や強さのコントロールが行いやすいです。
特に、プラウト®(図3)の場合、先端が中心に向かって滑らかにカットされているため、尖端を歯肉溝に向かって当て、慎重にブラッシングすることで出血を最小限に抑えつつ、汚染を除去することが可能となります。
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