拡張型心筋症の患者さんの心理・体験についての研究結果をもとに、実践したいケアを紹介します。

【第23回】拡張型心筋症の患者さん[前編]研究から明らかになったこと

患者さんの病気の受け入れの程度が増すように、支援を行う

ケアのポイント

●患者さんへの説明の内容や方法は病状に合わせて行う
●患者さんが自分の状況について理解ができるようにかかわる
●“病気を抱えながらも日常生活ができそうだ”と思ってもらえるように支援する

制限や変更は患者さんへの負荷に。状況に合わせた生活のしかたを考える

 患者さんにとって、拡張型心筋症という病気は聞き慣れない病名です。また、最終的な根治治療は心臓移植しかないことも大きな不安や恐怖となります。そのため、患者さんの不安や恐怖を軽減させながら、病気とともに生活ができそうだと思ってもらえるように、支援を行います。

 支援の内容は、情報提供に関するものと心理的なものが挙げられ、図11-3および以下に示します。

図1 拡張型心筋症患者さんの病気を受け入れるプロセスにおける看護支援のポイント

図1 拡張型心筋症患者さんの病気を受け入れるプロセスにおける看護支援のポイント
(文献1-3を参考に作成)

1)情報提供に関する支援:患者さんへ説明する内容や方法は状況に応じて行う

 多くの患者さんは、病状の急性増悪による緊急入院から退院までの入院期間を通して、今後の治療や病状について恐怖や不安を抱えています。また、不安や恐怖の原因も病状によって変化しています。

 そのため、患者さんへの病状説明や情報提供は、患者さんの心理的な状態や関心ごとに応じて、説明の回数や時間、および内容について考慮しながら行います。また、必要に応じて補足の説明や医師による説明の調整を行います。

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