日本褥瘡学会は2月、MDRPU(medical device related pressure ulcer)の日本語名称をこれまでの「医療関連機器圧迫創傷」から「医療関連機器褥瘡」に変更すると発表しました¹。
MDRPUとは自重によるものではない圧迫創傷を指し、同学会では「医療関連機器による圧迫で生じる皮膚ないし下床の組織損傷であり、厳密には従来の褥瘡すなわち自重関連褥瘡(self-load related pressure ulcer)と区別されるが、ともに圧迫創傷であり広い意味では褥瘡の範疇に属する」と定義しています²。
「医療関連機器褥瘡」は、英語名の MDRPUとMDRPI(medical device related pressure injury)両方の意味を含みますが、“M(medical)”を抜き、DRPUと表記している国もあるため、同学会は“M”を含めるかの検討を重ねていくとしています¹。
褥瘡のうち、医療関連機器によって生じるものが、一般・大学病院で約10~20%、小児専門病院では約56%です³。同学会はホームページにて医療安全として予防に取り組むよう呼びかけるポスターを公開しています⁴。
- 1.日本褥瘡学会ホームページ:「医療関連機器圧迫創傷」の名称変更について.
https://www.jspu.org/medical/mdrpu/docs/mdrpu.pdf(2024.3.20アクセス)
2.日本褥瘡学会ホームページ:用語集 医療関連機器圧迫褥瘡.
https://www.jspu.org/medical/glossary/(2024.3.20アクセス)
3.日本褥瘡学会 実態調査委員会:第4回(平成28年度)日本褥瘡学会実態調査委員会報告3 療養場所別医療関連機器圧迫創傷の有病率,有病者の特徴,部位・重症度,発生関連機器.褥瘡会誌 2018;20(4):488.
4.日本褥瘡学会:医療関連機器圧迫創傷を知っていますか.
https://www.jspu.org/medical/mdrpu/docs/mdrpu.pdf(2024.3.20アクセス)
そのほか「エキナスニュース」の記事はこちら