看護師が知っておきたい、アピアランスケアの知識を解説。今回は化学療法終了後のヘアケアについてです。ヘアカラーやパーマのタイミングや注意点を、がん化学療法看護認定看護師が紹介します。
Q. 美容院や理髪店はどうしたらよいですか?染髪やパーマはいつからできますか?
ひとこと回答
量や髪の伸び具合など、患者さん個々の状況に応じて判断しましょう。
ヘアカラーリングは注意点を参考にしながら状況に応じて行う
ヘアカラーリングは、健常者にとっても髪を傷めたり、頭皮の接触性皮膚炎を生じたりするリスクがあるものです。アナフィラキシーショックのような重篤な副作用の報告もあります。化学療法終了後に発毛し始めた患者さんに対する安全なヘアカラーリングについてのエビデンスはありません。一方で、化学療法を受けたがん患者さんが、ヘアカラーリングによって健常者より重い副作用を生じるといった報告もありません。
一律に「頭皮や髪への悪影響があるからやめたほうがよい」というのではなく、患者さん個々の状況に応じてヘアカラーリングを行うかどうかを判断しましょう。通常、ヘアカラーリングを行う際の注意点(表)1を参考にしてください。主な注意としては、ヘアカラー剤の一種である酸化染毛剤の成分が感作性を有するため、頭皮への付着をできるだけ避ける必要があることです。
そのため、染める毛幹と頭皮の間を0.5cm以上空けることが望ましいとされています。頭皮にできるだけ付着しないように染料を塗布するのを患者さんご自身で行うのは難しいので、できれば専門家(理美容師)に依頼することをおすすめします。
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