日々進化する治療・ケアにかかわる用品がもたらした変化、活用する際の注意点などを紹介!今回は携帯型ディスポーザブル注入ポンプを取り上げます。利点や使用方法を詳しく解説します。

抗がん剤を自宅等で継続投与できる

 化学療法の進歩に伴い、多くのレジメン(抗がん剤投与の治療計画)は外来での通院治療となっています。なかでも大腸がんの治療レジメンである「FOLFOX療法*1」「FOLFIRI療法*2」は、いずれも5-FU ®46時間持続投与する必要があり、輸液バッグでの投与では速度設定や管理が難しく、患者さんの行動にも多くの制限がありました。

 投与時の管理が簡単で携帯もできる携帯型ディスポーザブル注入ポンプ(インフューザーポンプ、図1)の開発により、外来通院による治療がさらに進んでいます。
 携帯型ディスポーザブル注入ポンプとは、「バルーン・大気圧・バネ等の非電気的な動力源を用い、定量かつ持続的に薬液を投与する携帯用ポンプ。薬液の注入速度を選択できるもの、PCAを備えたものおよびPCAを接続して使用するものもある」1とされます。

*1【FOLFOX療法 】=フルオロウラシル(5-FU®注)、ロイコボリン(レボホリナート®注)、オキサリプラチン(エルプラット®)を同時併用する治療法。2週間を1サイクルとして実施する。
*2【FOLFIRI療法】=フルオロウラシル(5-FU®注)、ロイコボリン(レボホリナート®注)、イリノテカン(イリノテカン塩酸塩®注)を同時併用する治療法。2週間を1サイクルとして実施する。

図1 携帯型ディスポーザブル注入ポンプの例

●バルーン圧を利用して、ポンプ内のバルーンが縮小していく様子が確認できる

バクスターインフューザー

バクスターインフューザー(画像提供:バクスター・ジャパン株式会社)

●バルーンの縮小とともにポンプ自体がスライドするため、外見上でも投与量が確認しやすい

DIBインフューザー(C)スライドジェル

DIBインフューザー®スライドジェル
(画像提供:株式会社ディヴインターナショナル)

DIBインフューザー(C)ソフトジェル

DIBインフューザー®ソフトジェル
(画像提供:株式会社ディヴインターナショナル)

使用方法

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