患者さんの体験・心理についての「研究」を原著者に紹介してもらい、臨床で活用したいこころのケアを探ります。
【第28回】ボディイメージの変容をきたした頭頸部がん患者さん[後編]研究結果からみる実践したいケア
外見上の変化を、患者さんはどう受け止めている?

頭頸部がんは、頭頸部(脳や脊髄、眼窩内を除く顔面頭蓋から頸部にかけての部位)に発生した悪性腫瘍です。
なかでも口腔領域の局所進行がんでは、顎骨や広範囲の軟組織の切除を必要とし、外科切除によって大きな欠損を生じた場合には、皮膚や骨などを移植し修復する再建術が行われます。
これにより組織の多くは再建されますが、神経の断裂や組織の不足により、咀嚼、摂食嚥下、発音だけでなく動的・静的な表情のゆがみなどの機能障害が残ることも多く見られます。そのため、頭頸部がん患者さんは外見上の変化に大きな悩みを抱え、心理面にも大きな影響を及ぼします。
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