入院の際には、衣類・タオル・紙おむつ・日用品などが必要に。これらを1日単位でレンタルできるのが、小山メディカルサービス株式会社の「入院セットレンタルサービス」です。
 このサービスを導入している済生会熊本病院を訪ねました。

1日単位で気軽にレンタル可能、入院患者の8割がサービスを利用中

 済生会熊本病院では、2023年秋から「入院セットレンタルサービス」を導入。入院が決まると、専門の職員または看護師がパンフレットで「入院セットレンタルサービス」について案内し、その後の手続きは小山メディカルサービス株式会社が担当します。今では入院患者の8割が利用しているとか。

 「緊急入院だと『何も持ってきていない』と心配する方が多いですが、このサービスがありますよ、と伝えると安心されますね」と話すのは、湯原救命救急センター主任看護師。
 「1日単位で申し込めるので、準備するまでの間だけでも気軽に利用できると喜ばれています」

 スタンダードプランのほか、ディスポパンツやアンダーウェアといったオプションも。必要な場合はすぐにプランを変更できる点も好評だといいます。

左から湯原由美救命救急センター主任看護師、坂田香織副看護部長、牛島久美子看護部長。

看護師と患者、そしてご家族の負担を軽減するために導入

 以前はセットではなく、病衣、おむつ、私物クリーニング、日用品セットなど4種類の個別サービスとご家族の持ち込み品、病院内での販売品を利用。しかし、患者さんの元に届くまで数日かかるうえ、看護師がすべての手続きを担当しなければならず、業務負担が大きかったのだそうです。

 「特に高齢の患者さんは、自分で用品をそろえるのが難しいもの。また、足りない用品を伝えるためにご家族に連絡したとき、『病院から電話がきたので、何かあったのではと緊張してしまった』と言われるのも心苦しかったです。さらに、COVID-19の流行下では面会が制限されたので、ご家族が届ける荷物を看護師が受け取る必要があり、そのぶん、ケアの時間が削られてしまいました」

 こうした状況から看護師、患者さん、そしてそのご家族の負担を軽減するため、「入院セットレンタルサービス」が導入されました。

豊富なサイズ展開、アメニティが看護ケアの充実につながる

 衣類は、甚平タイプ、リハビリタイプを、患者さんごとに選択可能。また、サイズがS~3Lの5種類あるのもポイントです。「サイズが小さいと摩擦によって皮膚トラブルを起こしてしまうことがあるので、体型に合った種類を選べるのはいいですね。体が大きくて着る服がなく、家ではタオルなどを巻きつけていたという患者さんが、『私でも入った!』と喜んでくださったこともありました」

 アメニティが充実している点は、看護ケアの面からも役立っているとのこと。
 「例えば、歯ブラシセット。当院では、誤嚥性肺炎の合併症を減らすなどの目的から口腔ケアに力を入れています。入院してすぐに歯ブラシが使える環境はとても大事。口内がすっきりしていると、患者さんの食事の意欲も高まります」

 坂田副看護部長も、「現場のスタッフにとって、『入院セットレンタルサービス』がケアに役立っているのは本当にうれしいこと。また、患者さんとそのご家族が利用したいと思えるようなサービスを導入できてよかったと感じています」と話します。

 もう一つ、湯原救命救急センター主任看護師が挙げたのはヘアブラシ。「ヘアブラシが部屋にあると、『患者さんの髪を整えなきゃ』という意識が看護師に芽生えます。こうしたアイテムが、看護ケアの広がりにつながっていると思います」

院内のキャビネットに、衣類やおむつ、アメニティなどが収納されている。病衣はサイズごとに色分け。すぐに取り出せるよう、棚に目印を貼るなど、小山メディカルサービス株式会社が使いやすさを重視した工夫をしている。
1階に設置されている「入院セットレンタルサービス」の受付ブース。オレンジのユニフォームを着た専門の職員が申込案内・手続きを担当。

「入院セットレンタルサービス」とは?

「入院セットレンタルサービス」の一例

入院の際に必要となる衣類・タオル・紙おむつ・日用品などを1日単位でレンタルできるサービス。3種類のスタンダードプランが選べるほか、患者さんの病状に合わせて使用できる日用品も用意されている。

職員のユニフォームは1枚ずつバーコード管理されるクリーニングサービスで品質を維持

有薗健司 購買部調達管理室室長

 済生会熊本病院では、職員のユニフォームのクリーニングについても、一部を小山メディカルサービス株式会社に業務委託。同社の工場で高温洗浄されています。

 「1着ずつにバーコードがついているのが特徴です。いつ洗濯されたのか、今どこにあるのかがわかるので、劣化や紛失を防ぐことができます」と話すのは、購買部調達管理室の有薗室長。

 「ユニフォームは職員が毎日着る大切なもの。洗濯回数によって、買い換え時期を検討するなど、品質を維持するために役立てています」

お話をうかがった病院

社会福祉法人恩賜財団
済生会熊本病院

熊本県熊本市南区近見5丁目3番1号
TEL 096-351-8000
https://sk-kumamoto.jp/

問い合わせ窓口

小山メディカルサービス株式会社
九州営業部

熊本県熊本市東区健軍本町1-1拓洋ビル5F
TEL 0120-332-601
https://www.koyama-ms.co.jp/hospitalized-set/
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