検査・治療の帰室後の急変に注意!今回は、消化器内視鏡検査・治療の帰室後に行いたい、誤嚥や低酸素血症を防ぐためのケアについて解説します。
帰室後に行いたい、誤嚥や低酸素血症を防ぐための鎮静覚醒後のケア

内視鏡治療技術の向上や患者の需要もあり、鎮痛薬や鎮静薬を用いた検査・治療が増加しています。鎮静下では、呼吸中枢の抑制や筋弛緩作用で、舌根沈下による低酸素血症や、誤嚥性肺炎などの合併症が起こりやすくなり、注意が必要です。
消化器内視鏡検査・治療における鎮静麻酔は過鎮静を避け、中等度鎮静=意識下鎮静(問いかけまたは触覚刺激に対して意図して反応できる)が妥当であるとされています1。
帰室前に拮抗薬を使用することが多いですが、帰室後は覚醒状態を観察します。SpO2の低下時は酸素投与とモニタリングを行います。
鎮静からの覚醒遅延や、嘔吐による誤嚥の恐れがある場合は側臥位をとらせ、必要時は口腔内を吸引するなどして吐物や唾液の誤嚥を防ぎます。特に高齢者は咳反射や嚥下反射の低下、鎮静時の意識の低下などによる不顕性誤嚥から、誤嚥性肺炎を起こす危険性が高くなります。そのため、帰室後時間が経過してからも、発熱や呼吸状態に注意が必要です。
前処置は大腸内視鏡検査の要
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