日常的に行う末梢留置カテーテルの穿刺や管理について、それらを「なぜ行うのか」を解説。確実な実施のため、根拠とコツをもう1 度おさえましょう!

【第2回】知っておきたい!ルート確保のキホン

高齢、浮腫や肥満がある患者では「皮膚の伸展」などを行ってから穿刺に移行する

なぜこうする?

血管が硬くなっていたり、体表面から遠くなっていたりするため

 末梢静脈ルートの確保は患者さんが「高齢」「浮腫・肥満」「ショック状態」などであるとき、困難となります。その理由として、下記が挙げられます。本項では、それぞれへの対応を根拠に基づき紹介します。

<加齢>

●動脈硬化が進行し、血管壁が硬くなっているため
●加齢により、血管が蛇行しているため

●皮下脂肪が少なく、皮下組織に隙間があり、血管が逃げやすいため

<浮腫や肥満>

●皮下に水分や脂肪組織が存在し、皮膚から血管までの距離があり静脈が埋没しており、駆血しても静脈が見えにくいため

<ショック状態>

●生体侵襲により交感神経が緊張し、末梢血管が収縮するため