結婚や出産・育児といったタイミングで、ライフスタイルや今後のキャリアの見直しを考える人も多いと思います。そこで今回、資格取得で新たなキャリアを切り開く女性にお話を聞きました。

志方 美香さん 
看護師免許を取得後、約20年看護師として従事。総合病院やクリニックに就職し、結婚後はデイケアや訪問看護施設などに転職。出産後は社会福祉士の資格取得のため、2022年に九州医療科学大学通信教育部に3年次編入学。2024年春には社会福祉士の資格を取得し、現在も通信教育部を利用しながら「スクールソーシャルワーク教育課程」で学んでいる。

出産で難しくなった看護師としての働き方 
ライフステージの変化で変わった生活環境

 もともとは総合病院やクリニックに勤務し、結婚後はデイケアや訪問看護施設など比較的に融通が利く職場で働いていました。
 その後産休・育休に入りましたが、息子が障がいをもって生まれたこともあり、今後仕事に復帰をしようとしたときに、看護師としてどのような働き方ができるのか、そのなかで自分がどういったことをしたいのかを考えるようになりました。

すべての子どもたちが同じ教育を受けられる環境をつくりたい 
新たに見つけた社会福祉士としての道

 息子を出産してダウン症と発覚し、それをきっかけに福祉について勉強するようになりました。医療についてはある程度知識はありましたが、福祉については全く知見がなく、息子のためにいろいろと調べるようになりました。

 そして日本政府が掲げている「インクルーシブ教育(※)」とはかけ離れた教育現場と直面し、息子のような障がいをもつ子どもたちが置かれている環境や問題(いじめ、不登校、児童生徒の問題行動などの状況)を解決したい、そのために福岡でもインクルーシブ学童を開設したいという目標ができました。
 そしてそのためには看護師の医療の知識だけでなく、社会福祉の知見も必要だと感じ、社会福祉士の資格取得をめざすようになりました。

※インクルーシブ教育:障がいや病気の有無、国籍や人種、宗教、性別といったさまざまな違いや課題を超えて、すべての子どもたちが同じ環境で一緒に学ぶ考え方。

九州医療科学大学通信教育学部で自分のライフスタイルにあわせた学び方と資格取得

 社会福祉士の国家試験受験資格取得のためには施設での実習が必須なのですが、福岡市内での実習が可能なのが九州医療科学大学でした。また、自分のライフスタイルにあわせて学べる通信制という点にも魅力感じ、2022年に通信教育学部へ3年編入で入学しました。

 実際に入学してみると、通信制なのですべてを1人で行わないといけないという大変さはありましたが、自分の興味のある他の資格の存在を知ることができ、資格取得にもチャレンジできる環境はとてもありがたかったです。

 2024年春に社会福祉士になるための国家試験に合格しまして、現在は問題を抱える児童・生徒を取り巻く環境へ働きかけたり、関係機関などとの連携・調整を行うスクールソーシャルワーカーを目指し、引き続き通信教育学部のスクールソーシャルワーク教育課程で学んでいます。

資格取得で開けたキャリア 
看護師の経験を活かしながら目指す新たな働き方

 今後はスクールソーシャルワーカーになるための資格取得をめざしつつ、福岡県スクールソーシャルワーカー協会の研修会に参加したり、神奈川県のインクルーシブ学童代表に連絡をとり、アドバイスを受けながら、いつかは自分でインクルーシブ学童を設立・運営をしたいと考えています。

 女性は若いときに働き、30代前後で出産し、労働市場から離れ、子供の手が離れたらもう一度働くというM字型の働き方と言われてきましたが、今では他の先進国と同じように女性が生涯を通じて働き続けることができるようになってきました。
 看護師の免許を持っていると病院以外に時間に融通がきく職場もあり、キャリアを完全に断ち切らずライフステージに応じて職場や働き方を選びながら、結婚・育児と両立できることは、看護師の強みでもあると思います。また、社会福祉士の資格を取ることで、看護師としての仕事の幅も広がりますので、産休の間に通信教育で資格を取ることも1つの選択肢ではないかと思います。

生き方も考え方も多様な時代だから、学び方にも自由を

 通信教育部は、年齢関係なく学ぶ気持ちがあればチャレンジできるシステムです。大学進学をあきらめていた人、勉強してスキルアップしたい人、仕事や家事で通学時間が取れない人でも、1人ひとりにあった学びのスタイルがあります。居住地域や環境などに制限されずに、大学の専門教育を多くの人に学んでいただける環境を用意しています。(九州医療科学大学 通信教育事務課 矢野 朋光)

問い合わせ窓口
九州医療科学大学 通信教育部
〒882-8508 宮崎県延岡市吉野町1714-1
TEL:0982-23-5535
E-mail:kums-tsushin@office.jei.ac.jp
https://tsushin.phoenix.ac.jp/lp/index.html