便秘には、ときには重篤化する病態が潜んでいることも。今回は、絶食中の排便コントロールについて解説します。

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Q. 絶食中の患者さん、もう3日便が出ていないけれど大丈夫?

Answer
●便が出ないから「出さなければいけない」わけではありません。
●食べていないから便は生成されにくいと認識しましょう。

便ができるしくみは?

 「便が出ない」ことを考える前に、まず便ができるしくみを考えてみましょう(図11。便は下記のように、腸管内の食物残渣が消化吸収の過程を経て生成されます。

①上部消化管による消化
消化酵素により分解された栄養素が小腸に届く
②小腸における吸収
能動輸送あるいは受動輸送として行われる
③大腸における吸収
腸内細菌による不消化物の発酵とその分解物の吸収が行われる
④便として体外に排泄

図1 便ができるしくみ

便ができるしくみ
(文献1を参考に作成)

 絶食中の患者さんは、腸管内に食物残渣が蓄積されませんが腸内細菌は存在するため、少量ではありますが便が生成される可能性はあります。しかし、食事や経管栄養といった「食物」に含まれる食物繊維が入ってこないため便量が少なくなります。また、絶食中は大蠕動が起こりにくい状態です。

絶食中の排便コントロールのポイントは?

 絶食中は、腸の内容物が腸管内に停滞する時間が長くなることで、通常より排便回数が減少すると言えます。そのため、数日間便が出なくても「便秘」と決めつけないようにしましょう。

 便秘かどうかの判断をするためには、腹部膨満感腹痛、そして排ガスの有無といった自覚症状を確認します。患者が訴えることができない場合には、腹部の視診や触診、さらに可能であれば腹部X線検査にて確認することで、便が貯留しているかどうか把握することができます。便が出ない、 かつ排ガスがなかったり、 腹部膨満が強い場合には、腸閉塞の状態が疑われますので、すぐに医師に報告するようにしましょう(表1参照)。

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