川嶋みどり 看護の羅針盤 第155回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　たとえば、嚥下反射の強い患者さんへの経管栄養チューブ挿入時の感覚のように、患者さんの嚥下反射と自分の指先の感覚の一致といった、言葉では表現しにくい瞬時の感覚から得るものもあるでしょう。（中略）

　こうした感覚は、「コツをつかんだ」という表現が用いられてきましたが、この技の真髄を自分で把握した瞬間の喜びこそ、「石にかじりついても、この仕事を続ける」という動機にもなり、 看護大好きを身につけることになるのです。

（出典：『看護を語ることの意味“ナラティブ”に生きて』99ページ、看護の科学社）

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