20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
「看護実践は人類の起源から始まる」と
ウィリアム・オスラー博士は述べていますが
私も同感です(中略)
ケアの心から起こった営みは
ごくごく近しい人たちに対して行われ、
徐々に言語化され、
今日の看護につながってきました
「看護実践は人類の起源から始まる」と、ウィリアム・オスラー博士は述べていますが、私も同感です。(中略)
手を獲得した人類は、石で石を削って道具を作り、さらにその道具を使って別の道具を作りました。そうしたことを繰り返しながら、その手で周辺の環境を自分が生きていくために都合のよいように作り変えてきたのでした。これが「技術」の始まりです。手を使って働くことは自分のためだけではなく、自分以外の人のためにも役立てていきます。(中略)
<自分以外の人たちのために力を尽くして役立ちたい>という人間のケアの心は、幼い子どもであっても、高齢者であっても、病人であっても、どんな人にとっても基本的なニーズなのです。そして、ケアの心から起こった営みは、ごくごく近しい人たちに対して行われ、徐々に言語化され、今日の看護につながってきました。
(出典:『看護技術の基礎理論』12~13ページ、ライフサポート社)
そのほか「川嶋みどり 看護の羅針盤」の記事はこちら
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