川嶋みどり 看護の羅針盤 第198回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　社会的諸制約や現時点での技術の限界を理由に、死ぬ権利が承認されてよいということにはならない。“尊厳死”という言葉に惑わされて、対象の死に手をかすことは看護師としての道に反するものである。

　どのように医学が進歩しようと、医療技術が高度化しようと、看護はあくまでも、人々の“尊厳ある生”への援助を行うべきである。

　生命を尊重し、最後までその人の可能性を見捨てないという生命観を基盤にして、人間の生きている状態についての知識を学び、その上で、よりよく生きてゆくことをめざす援助を行いたい。つまり、積極的に生命を肯定するということである。

（出典：『第3版 生活行動援助の技術　ありふれた営みを援助する専門性』6ぺージ、看護の科学社）

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