川嶋みどり 看護の羅針盤 第205回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　部分的であれ全面的にせよ、その患者が日常的になし得ない生活行動を援 助するのが看護師の第一義的な役割であるとするなら、その援助についての姿勢や方法についても考える必要がある。

　対象の状態によって援助の方法はさまざまであろうが、その基本はその患者の人生の時と場とを援助者である看護師が共有することであると思う。（中略）

　本当に喜びや悲しみを患者や家族と共有することができるためには、その患者の闘病過程のなかで、いかほどにその患者とかかわりあったかによって決定すると言えよう。

（出典：『第3版 生活行動援助の技術　ありふれた営みを援助する専門性』38～39ページ、看護の科学社）

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