採血前の薬剤投与が検査値に与える影響とは?尿酸分解酵素製剤(ラスリテック®)や、尿定性検査に影響する薬剤を取り上げ、看護師が知っておきたい注意点を紹介します。
Q. 採血前に薬剤投与された場合、値にどれくらい影響がある?やりなおしになる場合もある?
A.
得られるはずの結果より、数値が低くなったり、高くなったりします。やりなおしが必要なこともあります。
薬剤投与が検査値に与える影響とは?
薬剤投与による臨床検査値への影響は、少なからず存在するため注意が必要です。しかし、日常診療で用いられている薬剤は膨大であり、それらの影響がどの程度か、現状では判断が困難です。
考えられる影響としては、次の2つが挙げられます。
①薬剤の効果により目的とする検査値が低値となったり、高値となったりする
②薬剤自体、またはその代謝産物が測定検査項目の反応過程に影響を及ぼすことで正確なデータが得られなくなる
①の場合の代表的な薬剤としては、がん化学療法による腫瘍崩壊症候群の治療で用いられる、尿酸分解酵素製剤(ラスリテック®)が挙げられます。図1にラスリテック®投与群(0.15mg/kg、0.20mg/kg)の血中尿酸値を、薬剤投与からの時間推移で示します。薬剤投与から4時間後までのあいだに、尿酸値が明らかに低下していることがわかります。
図1 ラスリテック®投与後の血中尿酸値の時間推移(成人)

②について、ここでは尿定性検査の代表的な項目を挙げます(表1)。
この記事は会員限定記事です。

