川嶋みどり 看護の羅針盤 第264回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　医師の行う観察と、看護師でなければできないような観察がある。 ここでは皮膚の状態は全然問題にされていなかったが、肝臓が老人のようであったとしたら、おそらく皮膚にも老化がみられたのではないだろうか。
　たとえば、つまんでみたら皮膚がもとに戻らなかったとか、色調やつやなど、いろいろと観察するものがあるはずである。

　最近見直されてきた漢方では、 皮膚を見ることにより、全体的な状況を捉えてしまう。病名がつかなくとも、重症かそうでないかの判断が皮膚を通してできるという。こういうことは学ぶべきであろうし、看護師の今行っている清拭時の皮膚の観察の客観化ということにより、もっと危険状態を予知できるのではないか。

（出典：『看護における安全性』150ページ、医学書院）

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