20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
患者の療養環境という視点から
「安楽」ということを考えたとき、
まず「変化」をもたらすということが
一番重要だと思う
安楽とは、 決して固定的な概念ではなく、 相対的で流動的な概念である。患者の療養環境という視点から「安楽」ということを考えたとき、まず「変化」をもたらすということが一番重要だと思う。
部屋から一歩外に出たときのさわやかな風、ああ気持ちがいいなあという思いは誰でも体験する。仰臥位から側臥位にして、ああ楽になった、というあの変化である。つまり生理的な変化と心理的な変化と環境的な変化をもたらすようなことが、患者にとっては大変安楽であるということである。
（出典：『看護技術の現在 看護の時代2』179～180ページ、勁草書房）
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