20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

安全性の論理は
まず一〇〇%の安全を守る
ということに徹するべきです

 医療や看護の過程で、その人の病状を悪化させたり、いのちを脅かすようなことがあってはならないのは当然です。しかし、どんなに注意深く心がけても、あってはならない事故が起きやすいのが医療現場の現実です。安全性の論理は、まず100%の安全を守るということに徹するべきです。たとえ99%安全でも、残りの1%のリスクで事故は起きるのです。その1%は、出会った当事者からすれば100%の危険であるとの認識が必要です。

(出典:『看護の力』34ページ、岩波書店)

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