胸腔ドレーンの忘れがちな基礎と、迷いがちな点をピックアップ。持続吸引器の例を紹介しながら、胸腔ドレナージのしくみをわかりやすく解説します。

胸腔ドレナージに使用される胸腔カテーテル

 胸腔ドレナージは、次のような胸腔カテーテルを挿入して、胸腔内の気体や液体の排出を図ります。胸腔ドレナージに用いる胸腔カテーテルは、排気目的では12~16Fr、排液目的では20~28Frが選択されます。

トロッカーカテーテル

●金属製の内套針と外側のチューブから成る。
●排気・排液を目的とする場合はシングルルーメン、胸腔内洗浄を併せて実施する場合はダブルルーメンが選択される。

トロッカー アスピレーション キット

●穿刺の際に必要な用品がキット化された製品。

キーポイント① 胸腔ドレナージは、「重力」と「陰圧」を利用して行う

 ここからは胸腔ドレナージのしくみを、「4つのキーポイント」で解説していきます。

 一般的に、ドレナージは次の4つの原理で体内に貯留した液体・気体を排出します。胸腔ドレーンは、このうち、主に重力陰圧を用いたドレナージです。

重力      

  • ドレナージの基本原理。
  • 液面の高低による圧差で排液を促す。
  • 排液を促すために、ドレーンバックは常に患者の身体の高さより下方に設置する。

毛細血管現象

  • 細い空間内を液体の表面張力により浸透していく現象。
  • ペンローズやガーゼドレーンが該当する。

サイフォンの原理         

  • 高低差のある液面に液体を満たした管の両端を入れたとき、管の出発点にあたる高い液面よりさらに高い位置が途中にあっても、大気圧・重力の影響で、液体は高いほうから低いほうに移動する。
  • 脳ドレナージなどが該当する。

陰圧    

  • 持続的または間欠的に、強制的に陰圧をかけ排液を促す。
  • 貯留液体が多い場合や胸腔ドレーンが該当する。

キーポイント② 「陰圧」は、持続吸引装置を用いてかける

 胸腔ドレーンは、前述したカテーテルに、次に示す持続吸引装置を接続して管理します。
 持続吸引装置には、吸引器一体型タイプと、吸引器に接続して使用するタイプがあります。外観上の違いはありますが、管理の基本となる点は共通しています。

胸腔ドレーンに用いる持続吸引器の例:吸引器一体型タイプの例

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