胸腔ドレーンの刺入部を観察するときの注意点とは?気づきたい感染徴候や、透明ドレッシング材の活用など、観察のポイントを紹介します。
Q. 刺入部はどう観察する?
●定期的にドレッシング材を剥がして刺入部を観察することが重要です。
●固定の状況と、感染徴候について、直接“目で見て”“触れて”観察します。
胸腔ドレーン刺入部の観察方法
ドレーンの留置日数を確認する
まずは、ドレーン留置日数を確認しましょう。
適切なドレーン留置期間は挿入目的にもよるためはっきりしたことは述べられませんが、ドレーンを長期に留置しているとさまざまな要因が重なり、感染する可能性が高くなります。
ドレッシング材を剥がして刺入部を直接観察する
ドレーン刺入部の観察は、滲出液の状況から、毎日もしくは数日おきにドレッシング材を剥がして観察することが必要です。確認事項は以下です。
1)確実に固定されているか?抜けていないか?
固定糸が確実に固定されていることを確認し、ドレーンが抜けていないかを観察します。
2)感染徴候はないか?
刺入部の感染徴候を確認するときには、下記の項目を観察します。
基本的な感染徴候
・発赤 ・腫脹
・熱感 ・疼痛
そのほかの感染徴候
・びらん
・滲出液(膿など)
・異臭
図1 刺入部の感染徴候の観察

滲出液が多い場合は、滲出液が刺入部に停滞すると微生物を侵入させて感染の原因となる可能性が高くなるので、ガーゼを用いて吸い込ませます。
滲出液が少ない場合は、透明ドレッシング材を用いると観察しやすいです(図2)。また、熱感を確認するために創部周辺に触れる場合も、ドレッシング材の上から安全に観察することができます。
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