医療事故につながる可能性のある危険な薬に注意!今回は、静注用カリウム製剤を使用する際に気をつけるべきことを解説します。誤投与事故を防ぐためのポイントとは?

 現在は製剤工夫が行われ誤投与事故は減少傾向にありますが、高濃度カリウム製剤の投与方法を誤ると、生命にかかわる事故につながる危険性があります。

 静注用カリウム製剤の急速静注(ワンショット)は、重篤な不整脈から死亡事故を引き起こす原因となります。また、カリウム製剤を希釈せずに高濃度のまま末梢血管から投与することにより、血管の炎症が生じ皮膚壊死に陥る場合もあります。

 誤投与事故を防ぐために、以下の2点に注意する必要があります。

1)できるだけ、プレフィルドシリンジタイプを使用する

 静注用カリウム製剤は現在、アンプル製品(図1-①)よりも安全設計であるプレフィルドシリンジタイプ(図1-②)のカリウム製剤の採用が勧められています。

 プレフィルドシリンジタイプは保険診療で認められており、物理的に三方活栓などにより投与ができないなどの利点があります。

図1 カリウム製剤の例

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