研修、 書籍、 映像、 アプリなどで学ぶことができる
「見る・話す・触れる」ことはとても基本的なことだし、自分はいつも気をつけている、とお考えの方はたくさんいらっしゃると思います。臨床医として働いてきた私もそうでした。
でも、実際に自分のケアの様子を映像で振り返ると、たくさんの課題が見つかることを経験し、またその課題はユマニチュードを学ぶことで解決できることも経験しました。
いつも「あなたのことを大切に思っています」というメッセージを相手に届くように発することができるようになるためには、トレーニングが必要です。ユマニチュードを学ぶときに最も効果の高い方法は、研修に参加することです。
現在、ユマニチュードの入門研修が全国で開催されています。インストラクターが病院を訪問して、講義だけでなくケアに困っている患者さんのケアを一緒に行うことで具体的に学べる訪問型研修も始まりました。
また、書籍や映像で自習することもできます。東京医療センター高齢者ケア研究室のYouTubeチャンネルでは、家族を介護している方々が映像で学ぶこともできます。
さらに、現在、ユマニチュードを用いたケアはなぜうまくいくのか、その理由を科学的に探索する研究が京都大学や九州大学の情報学や心理学の専門家によって進められています。それをもとに、ケアを客観的に評価する方法も開発されました。ケアの評価に人工知能を利用する技術も実用化され、現場で役に立っています。
自分が「よい看護・ケア」を提供したいと思っている気持ち(哲学)と、実際に行っているケア(行動)を一致させるための道具がユマニチュードです。どなたでも学ぶことができます。そして一度身につければ、忘れることはありません。ぜひ、試してみてください。
●ユマニチュード研修
https://humanitude.care/
●東京医療センター 高齢者ケア研究室 YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCHopS0wOt0R9Iun1ZH5fpLg
- 1.本田美和子,イヴ・ジネスト,ロゼット・マレスコッティ:ユマニチュード入門.医学書院,東京,2014.
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この記事は『エキスパートナース』2021年4月号の記事を再構成したものです。
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