「毎日昼に働き、夜に寝る生活」と「日勤も夜勤もある生活」、そもそも疲れやすさに違いはあるのでしょうか。「夜勤のある生活」の特徴を知って、あなたの疲れの原因を探りましょう。

「酒気帯び運転」状態をカバーするため、ナースは夜勤中に緊張(ストレス)を強いられている

 夜勤は酒気帯び運転状態であるといっても、実際、看護職場では夜勤中に医療ミスが頻繁に生じているわけでもありません。そこには、夜勤と疲れに関するからくりがあるのです。

 前述したように夜勤中は、サーカディアンリズムによって仕事をするには向いていません。そのような夜勤でまともに仕事をするためには、看護師は心身に緊張を与えて仕事ができるレベルまで体の調子を高めることを強いられます。そのときに生じた緊張こそが、眠気を解消し、医療ミスを抑えているのです。しかし、それが心身にとってとても負担になっているのです。

 なぜなら疲労の科学によると、疲労はやがて過労となり、過労は疲弊へ、さらに疲弊は疾病へと進みます(図1)。このとき、疲労を過労へ、過労を疲弊へ、疲弊を疾病に至らし進めるのが、緊張(ストレス)だからなのです1

 また、疲労は負荷─緊張(ストレス)─疲労という順序で生じます2。したがって、緊張が生じて負担が高まると、看護師は疲労状態に陥りやすくなります。

図1 疲労と緊張(ストレス)の関係