よく休むポイントは、“夜勤中の仮眠”にあり!

 疲労の回復力が最も高いのは、夜間睡眠です。夜勤をすれば、夜間に睡眠をとることはできません。しかし、3交代職場でも、休憩時間に仮眠をとることはできます。

 3交代職場では、よく夜勤前に仮眠をとって夜勤に臨む看護師が多いことが知られています。しかし、その仮眠の疲労回復効果は、夜勤中にとる同じ時間の仮眠の三分の一しかないのです1

 図11を見てください。この図は、3交代勤務の看護師が、夜勤前のみに仮眠をとった場合と、夜勤中のみに仮眠をとった場合の疲労感を測定したものです。

図1 夜勤看護師の仮眠取得と疲労感
仮眠は夜勤前ではなく夜勤中にとるほうが効果的
(文献1より引用)

 図を見ればわかるように、例えば夜勤中に仮眠を60分とったグループと夜勤前のみに180分とったグループの疲労感が同じであったのです。したがって、夜勤の休憩時間は食事をするよりも、しっかり夜勤中に仮眠をとることが大切ということです。

 なお、夜間の食事は、満腹ホルモンのレプティンが減少し、摂食ホルモンのグレリン2が増えている状態になるため、ついつい食べ過ぎてしまい、気がついたら体重が増加していたということになりやすいのです3。食事は、夜勤であっても、できるならば日勤と同じように、朝、昼、夜の3回だけに留めておきましょう。

1.Saito Y,Sasaki T:The effect of length of a nocturnal nap on fatigue feelings during subsequent early morning hours.The Journal of Labour 1996;72(1):15-23.
2.Spiegel K,Tasali E,Penev P,et al.:Brief communication:Sleep curtailment in healthy young men i s associated with decreased leptin levels,elevated ghrelin levels,and increased hunger and appetite.Ann Intern Med 2004;141(11):846-850.
3.Lee GJ,Kim K,Kim SY,et al.:Effects of shift work on abdominal obesity among 20-39-year-old female nurses:a 5 -year retrospective longitudinal study.Ann Occup Environ Med 2016;28:69-75.

疲れと休みのエビデンス【第4回】よい休みかたのエビデンス②

この記事は『エキスパートナース』2019年4月号特集を再構成したものです。
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