関節痛
「朝、手指がこわばって30分ほど動きません」
エストロゲンは関節を守るはたらきをしています。このため、更年期にエストロゲンが急低下すると、急にあちらこちらの関節が痛くなることがあります1。
正常な関節はなんともないままです。痛みを生じるのは、それまでに変形性関節症や臼蓋低形成など、なんらかの炎症が起こる素地があった関節です。多いのは、指の関節が痛むことです。朝のこわばりがあるので、リウマチを心配する方も多いようです。女性は指をよく使うので、指に変形性関節症を生じていて、それが更年期に痛みだすのです。
ヘバーデン結節(図1)は、指の変形性関節症の後遺症として残る指の突起(第1関節が変形する)ですが、更年期に痛くなってきた指に何も手当しないと、できやすいです。一度できると治らないので、できるだけ痛い指に負担をかけないように、テーピングなどで工夫したり、NSAIDs外用薬を塗り込んだりするようにしましょう。
その他、骨盤、腰、膝、いろいろな関節に症状が出ることがありますが、いずれも、なんらかの器質性の関節機能障害があることが多いです。整形外科で適切にケアしてもらいましょう。
更年期障害に伴う関節痛は、あまり腫れないのが特徴です。更年期の関節痛でも、赤く腫れたり、熱をもったりしている場合には、膠原病の可能性を調べたほうがよいことがあります。膠原病の好発年齢は、20代と60代にありますので、腫れて熱をもった関節炎は更年期障害と決めつけないようにしましょう。