閉経関連尿路生殖器症候群(GSM)

代表的な訴え

「しょっちゅうトイレにいきたくなります」
「セックスが苦痛です」

 更年期には、エストロゲン低下のために外陰部が変化します2

 具体的には、大陰唇(パンティーラインにふれるところ)のボリュームが減り、小陰唇(ビラビラしたところ)が固く小さくなります。皮膚や粘膜も薄くなります。こういった変化から、「なんとなく自転車に乗ったときの感じが違う」と表現される方も少なくありません。

 外陰部が変化してなんともない方もいらっしゃるのですが、多くの方が、外陰部が乾燥したり、かゆみや痛みを生じたり、性交渉のときに濡れにくくなったり、入り口が痛くなったり、尿道口まわりの粘膜菲薄症状として、しょっちゅうトイレに行きたいと感じたり、尿もれしたりするようになります。膀胱炎を繰り返す人もいます。

こういった、外陰部の萎縮に伴う症状をまとめて閉経関連尿路生殖器症候群(Genitourinary Syndrome of Menopause:GSM)といいます。GSMは保湿や局所のホルモン製剤、レーザー治療(自費)でケアすることができます。

1.Dugan SA,Powell LH,Kravitz HM,et al.:Musculoskeletal pain and menopausal status.Clin J Pain 2006;22(4):325-331.
2.Portman DJ,Gass MLS,Vulvovaginal Atrophy Terminology Consensus Conference Panel:Genitourinary syndrome of menopause:new terminology for vulvovaginal atrophy from the International Society for the Study of Women’s Sexual Health and the North American Menopause Society.Climacteric 2014;17(5):557-563.

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この記事は『エキスパートナース』2022年7月号特集を再構成したものです。
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