さまざまな人と接する機会の多い看護師が、円滑な関係構築のためにできる“ちょっとした言葉選びの工夫”を紹介します。今回は、患者さんから繰り返し尋ねられることを防ぐ方法についてです。
患者さんから繰り返し尋ねられることを防ぐためには?

患者さんは”わからない”ことがわからない
入院オリエンテーション(オリ)、検査や術前・術後に行う処置の説明、栄養・退院指導など、看護師が患者さんへ説明する機会は多くあります。これは、私たちにとっては日常であっても、患者さんにとっては一生に1度経験するかどうかのできごとかもしれません。
患者さんは、なじみのない説明と入院の緊張と不安とで理解する力が通常より落ちている可能性があります。
ややこしい知識内容、例えば酸塩基平衡や神経細胞の情報伝達などの説明をみなさんがはじめて聞いたとき、「質問はありますか?」と尋ねられ、情報が整理しきれず「いま言われても、わからないことがわからない」と感じたご経験はないでしょうか。
患者さんも同じ状況です。複雑な説明ほど、「ご質問はありますか?」と聞かれて的確に質問できる患者さんはそう多くはなく、後から何度も質問することになります。
看護師
「何かご質問はありますか?」
患者さん
「大丈夫です!」
「質問はありますか?」をどう言い換える?
みなさんが話した内容を患者さんに説明してもらうことで、理解度を知ることができます。しかし、「理解されたことをお話しください」では、何を話したらいいか困ってしまうかもしれません。
そこで、特に知っておいてほしい点を具体的に尋ねます。例えば、「今日の夜から明朝までに〇〇さんがすることをお話しいただけますでしょうか」「尿の貯め方について、1日の最初から最後まで○○さんが何をすればいいか、お話しいただけますでしょうか」などです。
なお、「質問」は会話において「回答しろ」という命令のニュアンスを含みます。これらの質問の前に「わかりにくかった点がないかの確認のため、私のほうから質問をしてもよろしいでしょうか」などと尋ね、事前に了解をとりましょう。
また、患者さんが考えを整理する時間をとるのもよいでしょう。「〇時ごろにご質問がないかあらためて伺いたく、ご都合はいかがでしょうか」など、それまでに質問を整理しておいてほしいことを伝えると、よりスムーズかもしれません。
看護師
「わかりにくかった点がないかの確認のため、私のほうから質問をしてもよろしいでしょうか。今日の夜から明朝までに〇〇さんがすることをお話しいただけますでしょうか」
患者さん
「えーっと……」
図を交えるなど説明を工夫する
生まれつきの特徴で、耳で聞いたほうが理解しやすい人と、目で見たほうが理解しやすい人がいます。
「どちらかが優位である」という意味で、聴覚優位と視覚優位といいます。どちらのタイプの方でも理解できるよう、なるべく図示を交えて説明するとよいでしょう。
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