さまざまな人と接する機会の多いナースが、円滑な関係構築のためにできる“ちょっとした言葉選びの工夫”を紹介します。今回は、不安が強い患者さんへの対応です。

●不安が強い患者さんへの対応、どうする?
・患者さんが質問や訴えを繰り返すのはなぜ?
●不安が強い患者さんへの正しい対応
・「不安をやわらげること」について話し合う
・患者さんの不安をやわらげる行動を引き出す

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不安が強い患者さんへの対応、どうする?

不安が強い患者さんのイラスト

患者さんが質問や訴えを繰り返すのはなぜ?

 「治療がうまくいくか不安」など、誰も答えられないあいまいな状況にある患者さんは、その不安を1人で抱えきれず、何度も同じことを尋ねられることがあります。時間をとってお話を伺っても状況は変わらないため、再び同じことをお話しされたり訴えたりします。

 こうした患者さんに対して、「患者さんはあなただけじゃないの」と、特別扱いできないことをつい伝えたくなりますが、そう言われた患者さんはますます訴えが多くなるか、またはまったく自分のことを話さなくなってしまうことがあります。

 患者さんは、病気という自分ではコントロールできない状況に対して“自分で問題解決できる自信”がなくなっているため、質問や訴えを繰り返します。

 そのような患者さんは、看護師の“そんな配慮もできないのか”というニュアンスの言葉でますます自信を失い、「確認できるまで何がなんでも」と些細な不安をそのつど訴えるようになってしまったり、「自分なんか」と心を閉ざして極端に話をしなくなったりします。

NGな対応例

患者さん
「これから私どうなっちゃうのかしら……」
看護師
「すみません。〇〇さん以外にも患者さんはたくさんいらっしゃるので……」

不安が強い患者さんへの正しい対応

「不安をやわらげること」について話し合う

 患者さんの考えや気持ちを正確に理解できるよう、話を聴いた(【第4回】参照)うえで、不安をやわらげる方法を引き出し、患者さんの“自分でなんとかできる”自信を高めていく手段を解説します。

 まず、共感的に伺った話が合っているか確認します。「治療の成果がみえない今の状況を、とても不安に感じていらっしゃるのですね」などです。

 次に、「残念ながらその状況を変えることはできないのですが、〇〇さんが少しでも生活しやすくなるよう、多少なりとも不安をまぎらわす方法をご一緒に考えられたらと思います。どうでしょうか」と不安をやわらげること自体について話し合うことへの了解を得ます

 了解が得られない場合は、得られるまで共感的に話を聴くことを続けます。

OKな対応例

患者さん
「これから私どうなっちゃうのかしら……」
看護師
「よかったら不安をまぎらわす方法を一緒に考えませんか?」

患者さんの不安をやわらげる行動を引き出す

 了解が得られたら、「これまでの生活で強い不安を感じられたとき、どう考えたり工夫したりしてしのいでいらっしゃったのでしょうか」と尋ねます。

 患者さんがうまく答えられないときは、「例えば、ゆっくりお茶を飲むとか、深呼吸するとか」など、これまで患者さんがしていそうなことを候補として挙げる、または、過去のできごとについて詳しく聞き、そのなかで患者さんの不安をやわらげていた具体的な行動を見つけていきます

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