初めてのICU。なかなか進んでくれない時計の針
ICUに入室してから数日間はいわゆる「スパゲティ症候群」そのもので、たくさんのドレーンやモニタ類のために、軽い体位変換以外はすべて誰かの手を借りる必要がありました。
看護師の皆さんは、全身管理に加えて座位保持、起立訓練、排便そして検査室への移動からさまざまなケアまで、そして時間があるときには話し相手にもなってくれました。回復へ順調な経過をたどり始めたのも、素晴らしい看護のおかげだと思っています。
その後、身体はそれなりに回復しましたが、モニタリングやドレーン管理が煩雑なため、なかなか一般病棟に戻れませんでした。1週間ぐらい経つと面会、ガーゼ交換や清拭などのルーチンワーク以外は、壁掛け時計とのにらめっこが続きました。当然ながら時計の針はなかなか進んでくれません。
入院する直前までのあれほどの「時間に追われていた生活」とICUでの「時計を見ながら時間が過ぎるのをただ待っている状態」とのギャップは、経験してみて初めてわかる感覚でした。