医療者の時間、患者の時間。両方を経験したからわかること

 以前はよく患者さんに「一日一日よくなりますよ!」と言っていましたが、少なくともICUではそのような実感はありませんでした。

 熱が出たり出なかったり、あちこち痛くなったり楽になったり……。特に最初のころは、振り返ってみて初めて「一週間前よりよくなった」と感じた、というのが本当のところです。 

 すなわち、健康状態にある医療者と患者さんとは、同じ時間を共有したとしてもお互いに体感している時間の経過は明らかに異なっている、ということを念頭に置いておく必要があります。そして両方を経験した今だから言えます。何かすることがある、もしくは何かができることは、本当にすばらしいことだと!