ストーマについての「これだけは知っておきたい!」という“基礎のギモン”から、現場から寄せられた“実践的なギモン”までお答えします。今回は待機手術のマーキングのポイントについて。ストーマサイトマーキング前の確認事項、ストーマ種類別造設位置の考え方、ストーマサイトマーキングの基準の3つのポイントを解説します。

【第2回】待機手術のマーキングのポイントは?

 マーキングの前後にも確認事項などがあります。細かいステップを含めてストーマサイトマーキングのポイントを解説します。

ポイント1 ストーマサイトマーキング前の確認事項

①患者・家族がストーマ造設について医師から説明を受けている。

②患者・家族はストーマ造設の必要性を理解し、納得している。

③患者・家族は看護師からストーマとストーマケアに関してのオリエンテーションを受け、術後にストーマ装具を使用した排泄管理が必要になることを理解し、納得している。

④患者・家族はストーマサイトマーキングの必要性を理解し、納得している。

⑤看護師は患者の社会背景、ライフスタイルなどを把握している。

⑥看護師は医師から術式、切除範囲、造設部位、病期などについて事前に情報を得ている。

⑦医師は看護師がマーキングをすることに同意している。

⑧看護師がストーマサイトマーキングを実施する際に、医師に同席してもらう。または、実施後にマーキングした位置を確認してもらう体制ができている。

ポイント2 ストーマ種類別造設位置の考え方

 ここではストーマの種類別造設位置の基本的な部位を示しますが、病状によって変更される場合があるため、事前に医師へ確認しましょう(図1表1)。

①下行結腸、S状結腸ストーマ⇒左下腹部
②横行結腸ストーマ⇒左右上腹部
上行結腸ストーマ⇒右下腹部
④回腸ストーマ⇒右下腹部
⑤回腸導管⇒右下腹部
⑥尿管皮膚瘻⇒前腋窩線より内側の左右下腹部

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