がん治療・ケアの最新知識を紹介。今回は、新しい分子標的治療薬であるPARP阻害薬を取り上げます。代表的な副作用や、観察ポイントを確認しましょう。

 がんの増殖・転移を阻害する効果のある治療薬が数多く開発されています。これらを使用するにあたって生じる副作用について、発現頻度の多いものや重篤なものについては、症状や対応の要点を把握しておくことが重要です。

PARP阻害薬

 PARP(Poly〈ADP-ribose〉polymerase)阻害薬は、がん細胞の細胞死を特異的に誘導することを目的とした分子標的薬です。

PARP阻害薬と代表的な副作用

オラパリブ
●販売名・剤形:リムパーザ®
●適応となるがんの種類:卵巣がん、乳がん、前立腺がん、膵がん(BRCA 遺伝子検査を必要とする適応症を含む)
●主な副作用:悪心・嘔吐、味覚障害、倦怠感、骨髄抑制、下痢

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