代表的な不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトに解説!今回は心房粗動(AFL)の波形の読み方を紹介します。

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心房粗動(AFL)の特徴は?

 心房粗動(AFL)は、心房内で電気的刺激がグルグル回っている状態です(①)。心房内のリエントリー回路(副伝導路)をグルグル回り(②)、心房の興奮レートは 240~430 回/分となり、基線上に規則的な波形が現れます。
 RR間隔は比較的規則正しく(③)、QRS波の幅は正常ですが、心室内伝導障害があれば幅が広くなります(④)。心房内の興奮の一部が伝わり、心室が興奮します。

図1 心房粗動の読み方

心房粗動の読み方
心房粗動の読み方2

心房粗動(AFL)では、ドクターコールと12誘導心電図は必須

 心房細動(AF)と同様、心房内に血液が十分溜まる前に心室に送り込まれます。心室に入る血液の量が低下し、結果的に心拍出量の低下→血圧の低下となる場合があります。
 ドクターコールと12誘導心電図は必須です。

 循環動態が不安定であれば、早期に心拍数コントロール(rate control)、カルディオバージョンを行い、洞調律の維持を図ります。

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