肝硬変など肝不全の終末期について紹介。終末期に現れるサインや、終末期における症状・病態の変化、疼痛、浮腫・腹水といった、特に強い苦痛を感じる症状への対応を紹介します。
肝不全の予後予測
肝不全は、肝機能が大きく低下した状態であり、肝炎や肝硬変、肝傷害など、さまざまな肝疾患により生じます。
なかでも、肝硬変は代償期(腹水、静脈瘤出血、肝性脳症などの合併症の出現していない状態)と非代償期(合併症が出現した状態)に大別されます。
Child-Pugh(チャイルドピュー)スコア(表1)1は代償期肝硬変・非代償期肝硬変いずれの予後予測にも優れ、MELD(model for end-stage liver disease)スコア(図1)2は非代償期肝硬変の予後予測に優れています。
表1 Child -Pugh スコア

図1 MELD スコア計算式

これらのスコア以外では年齢がよい予後予測因子とされていますが、肝硬変の原因(アルコール性、ウイルス性など)は予後には関係がないとされています。また、合併症が出現した場合の予後(下記参照)についても、さまざまな研究が進んでいます。
肝硬変の合併症と予後
●腹水
・出現後の生存期間:2年(中央値)
・難治性腹水の生存期間:6か月(中央値)
●肝性脳症*1
・重症、再発の生存期間:12か月(中央値)
●感染症(特発性細菌性腹膜炎)
・30日以内の死亡率:30%
・1年以内の死亡率:60%
●肝腎症候群*2
・1型の生存期間:4週間(中央値)
・2型の生存期間:6か月(中央値)
*1【肝性脳症】肝機能の低下で体内にアンモニアが蓄積し、意識障害、異常行動、はばたき振戦などがみられる。
*2【肝腎症候群】肝硬変の末期や重篤な肝疾患の際に出現する急性腎不全。1型は急速な経過をとり、2型は緩徐な経過をとる。
肝不全の非代償期にみられる症状
非代償期では、 下記「肝不全の非代償期にみられる症状」に示した身体症状に加え、精神症状を呈する患者さんも多くみられます。
身体症状
●全身疼痛
●浮腫・腹水
●肝性脳症
●出血傾向
●胃・食道静脈瘤からの出血
●筋痙攣 ●黄疸
●皮膚乾燥
●皮膚掻痒 など
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