認知症の終末期には、どのようなサインが現れるのでしょうか。特に多いアルツハイマー型認知症については、ステージ分類による重症度評価などを紹介しています。

アルツハイマー型認知症のステージ分類(FAST)

 わが国では高齢化の進行に伴い認知症患者が増えており、厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」によると、2025年には700万人を突破、65歳以上の5人に1人にのぼると推計されています1

 認知症の原因となる基礎疾患は、慢性硬膜下血腫など治療可能な認知症(treatable dementia〈トリータブルディメンシア〉)を除いても多数あります。基礎疾患によって疾患経過も異なりますが、大部分は慢性の経過をたどると考えられます。

 なかでもアルツハイマー型認知症は、認知症全体の50%以上を占め、発症から死亡まで約10年という緩やかな経過をとる代表的な疾患です。アルツハイマー型認知症のステージ分類としてはFunctional Assessment Staging of Alzheimer’s Diseas(FAST)があります(表12

 日常生活での行動の特徴から重症度を評価できるようになっており、例えば介護保険の日常生活自立度判定基準のⅡ(日常生活は多少困難であっても誰かが注意していれば自立できる)は、FASTの「ステージ4」に対応すると考えられます。

表1 アルツハイマー型認知症のステージ分類(FAST

アルツハイマー型認知症のステージ分類(FAST)の表
(文献2より引用、一部改変)

認知症の終末期の基準は?

 米国のホスピスプログラムの適応基準をみてみると、生命予後6か月以内となっています3
 
 また、認知症の終末期とされる基準はFASTの「ステージ7C」以上であり、表24に示した項目のうちどれかが必要とされます。

表2 認知症の終末期とされる基準

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