認知症の終末期、症状・病態はどのように変化するのでしょうか。 呼吸困難、嚥下障害といった症状や、予後予測ツールなどについて解説します。
次第に意思疎通が困難になり、肺炎などの症状がみられるようになる
重症認知症から終末期に向かう変化の概略としては、失禁(FAST「ステージ6」、【第23回】・表1)、長期臥床(FAST「ステージ7」、同・表1)を経て、摂食嚥下障害、誤嚥性肺炎などの感染症や意思疎通困難となって行きます(図1)。
図1 重症認知症から終末期への進行

1)主な症状は、 摂食嚥下障害ならびに肺炎と長期臥床に伴う苦痛症状
終末期の症状は疼痛よりも呼吸困難が多いことが特徴的ですが、ほかにも、嚥下障害、咳嗽、発熱、浮腫、褥瘡、喀痰、および便秘なども多くみられます。また、主治医が治療すべきと考えている症状は、呼吸困難、嚥下障害、喀痰、褥瘡、およびせん妄などです1。
これらをまとめると、摂食嚥下障害、肺炎と長期臥床に伴う苦痛症状が認知症終末期の症状といえます。
2)意思疎通が困難な場合は、PAINADで苦痛を評価する
苦痛の評価は、本来は主観であるべきですが、認知症の終末期は意思疎通が困難になっていることが多いため、客観的に行わざるをえません。当院でも用いているPain Assessment in Advanced Dementia(PAINAD)は、呼吸、ネガティブな発声、顔の表情、ボディランゲージ、および慰めやすさの5項目を評価します(表1)2。
たとえ入院場面であっても、長く介護をしてきた家族や慣れた介護施設スタッフなどの評価を聞くことができれば、さらに精度が上がることになるでしょう。
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