鎮静を伴う処置後は、病棟での急変に注意が必要です。今回は、呼吸運動はあるが上気道閉塞・狭窄が生じた場合、呼吸運動自体が停止した場合、呼吸以外の合併症、それぞれの対処法を紹介します。
1)呼吸運動はあるが上気道閉塞・狭窄が生じた場合(Aの異常)の対処法
基本的には医師への連絡が必要ですが、医師の到着までに下記の方法で閉塞・狭窄の解除を行います。
●患者さんを刺激する:鎮静レベルは相対的なものなので、大声で呼びかける、体を叩くなどの刺激を与えてみます。
●患者さんを側臥位にする:側臥位にすると舌が咽頭後壁から離れ、咽頭内にスペースが生まれます。
●下顎を挙上する:下顎角を前方に持ち上げることにより、咽頭内にスペースが生まれます。
●経鼻エアウェイを挿入する:エアウェイが舌と咽頭の間に挿入され空気の通り道が確保されます。
●フルマゼニルを投与する(医師の指示による):ベンゾジアゼピン系薬剤を使用している場合には拮抗薬であるフルマゼニル(【第9回】・図2参照)を使用することによって覚醒し、舌根沈下が解除される可能性があります。病棟の救急カートに常備するとよいでしょう。しかし、時間が経過すると再鎮静の可能性がありますので継続して患者観察が必要です。
2)呼吸運動自体が停止した場合(Bの異常)の対処法
気道確保と人工呼吸が必要な状態であるため、緊急で医師のコールが必要です。
医師が到着するまでにバッグバルブマスクで換気を行い、気管挿管などの準備を進めますが、下記の方策を試みてもよいでしょう。
●患者さんを刺激する:麻薬の使用により呼吸抑制が生じている場合、呼吸を促すことで呼吸をしてくれる場合もあります。
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