知っているようで意外と知らないバイタルサイン数値の“測定手技”や“判断の根拠”。今回は呼吸数を1分間実測する理由を解説します。

徐呼吸では1分間の実測で呼吸数の把握を
呼吸数が20回/分以上を「頻呼吸」、12回/分以下を「徐呼吸」といいます。頻呼吸の場合では、30秒間の計測でも十分でしょう。
しかし、徐呼吸の場合になると1分間の計測で、正確な呼吸数の把握になります。 出血・ショックの徴候を知るためにも(表1)、ICU外の敗血症の診断基準1としても、呼吸数は重要な要素として示されています。また成人市中肺炎の徴候としても、呼吸数が重要視されています2。
表1 出血の程度と生体反応

しかし、酸素飽和度の計測ができるようになったことで、時間のかかる実測の呼吸数の計測は行われなくなってきている状況と思います。これは諸外国でも問題視されています3。
「15秒間の計測」では、「60秒間の計測」よりも誤差が大きくなるという結果がある2ことからも、呼吸数は1分間実測する必要があるでしょう。
一方、睡眠時無呼吸症候群(SAS)では1分間以上無呼吸が続くこともあります。患者さんの呼吸をどのくらいの時間観察するかは、呼吸状態により異なるでしょう。
ただし、“呼吸数だけ”で必ずしも見抜けるわけではない
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