思い込みで行ってしまった日常的な治療・ケアが症状の悪化や事故の原因になることも。看護師が知っておきたい、注意が必要なポイントを解説します。
第1回:術後疼痛管理における鎮痛薬の選択:機序の異なる薬剤の組み合わせ
〈目次〉
●術後疼痛対策に用いる薬剤はNSAIDsだけでよいわけではない!
●NSAIDsは腎機能低下や消化管障害の患者には注意が必要
・NSAIDs の副作用
●NSAIDsが使用できない場合は、アセトアミノフェンの使用を考慮
●多角的鎮痛が疼痛対策のポイント
・NSAIDsとその他の鎮痛薬
第2回:NSAIDsの使い分けとアセトアミノフェン使用時の注意点
〈目次〉
●NSAIDsの剤形ごとの使い分け
1)静注薬:経口摂取ができない手術直後の患者に使用
2)坐薬:意識状態が悪いときや吐気が強い、 座位を保持できない患者などに使用
●効果の強さに応じたNSAIDsの使い分け
●アセトアミノフェン使用時の注意
・アセトアミノフェンの最大使用量は1日4,000mg
・術後の患者には注射薬を使用する
第3回:習慣的な蓄尿による感染の危険性と代用評価法
〈目次〉
●尿測目的の蓄尿をルーチンで行ってはいけない!
●蓄尿の目的とは?
●蓄尿によって薬剤耐性菌が増加する
●蓄尿の代わりとなる測定方法は?
●診断に必要で他の方法で代替不可な場合は蓄尿を行う
●蓄尿は最長24時間
第4回:温罨法で腹痛が悪化する?効果と危険性を解説
〈目次〉
●腹痛時、すぐに温罨法を行ってはいけない!
●腹痛が起こる原因は?
・疼痛の部位と原因疾患
●温罨法の効果は?
●温罨法が禁忌となる場合は?
●温罨法の効果は明確にはなっていない
第5回:気管切開術中の高濃度酸素と電気メスの使用による引火のリスク
〈目次〉
●気管切開術中に高濃度酸素を使用してはいけない!
●気管切開術によって、火災や熱傷事故が引き起こされることがある
1)高濃度酸素投与中の気管切開が危険
2)漏出する酸素により、大事故につながりやすい
●事故の予防法:引火の原因がないかを確認し、タイムアウトを行う
1)高濃度酸素と電気メスの使用をできるだけ避ける
2)医療チームで、引火の可能性・危険性を共有しておく
●事故発生時の対処:チューブを抜去・消化し、呼吸を再開する
最終回:アイスマッサージによる摂食嚥下訓練の効果と適応
〈目次〉
●摂食嚥下訓練のアイスマッサージは、すべての患者に行うわけではない!
●アイスマッサージで嚥下反射を誘発する
●アイスマッサージの効果が疑問視されている
1)反射を訓練することはできない
2)嚥下反射が生じる部位と刺激部位が異なる
●アイスマッサージの効果がある患者の例
1)意識レベルが低下している患者
2)嚥下頻度が低下している患者
●適応症を選んでアイスマッサージを行う