退院後の生活を見据え、患者さんの自立のために実践できる“ちょっとリハ”とは?今回は、車椅子座位の場合の、食事前の適切なポジショニングの設定について解説します。

車椅子座位での食事の場合のポジショニング例(右麻痺の場合の悪い例、よい例)

 背面、麻痺側上肢、足もとが安定することでリラックスした状態での食事が可能になります。

図1 車椅子座位での食事の場合のポジショニング例(右麻痺の場合の悪い例、よい例)

①姿勢

悪い例
座位姿勢が不安定だと、疲れやすく努力性嚥下になりやすいです。
よい例
背面や麻痺側に丸めたタオルを入れると、座位が安定し、リラックスした状態での摂食が可能になります。

②机の高さ

悪い例
高すぎると、摂食動作に必要な肩甲帯の柔軟な動きが阻害されます。
よい例
ひじを90°曲げたときに机に手が乗る程度の高さに設定すると、食器に注目するようになり、自然と軽い頸部前屈位(軽く首が下を向いた姿勢で、嚥下に有利)が促されます。

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