看護師が知っておきたい、アピアランスケアの知識を解説します。今回は抗がん剤治療によるざ癒様皮疹がある場合の洗顔方法のポイントを紹介。ざ癒様皮疹の特徴、患者さんへのアドバイスのコツを、がん化学療法看護認定看護師がお伝えします。
Q. ざ癒様皮疹があるが、洗顔は普通に行ってよい?気をつけることはある?
ひとこと回答
「剌激を避けて、ざ癒様皮疹が悪化しないように清潔を保つ方法」を患者さんと一緒に考え、習慣に取り入れてもらうようサポートしましょう。
ざ癒様皮疹のスキンケアの基本は清潔・保湿・刺激の軽減
洗顔は習慣としてなされるスキンケアの1つなので、 「普通に」と言っても具体的な方法には個人差があります。また、ざ癒様皮疹の発症程度や感染の有無など、そのときどきの肌の状態によっても適切な洗顔の方法は異なります。
患者さんが普段、習慣として行ってきた洗顔の方法を間き取ったうえで、ざ癒様皮疹を悪化させる要素がないか、一緒に考えてみましょう。その際のヒントを下記に示します。
ざ癒様皮疹のスキンケアの基本は、「清潔・保湿・刺激の軽減」です。特に顔は、体に比べ皮脂分泌が盛んですが、この皮脂に含まれる不飽和脂肪酸は、紫外線などの環境で酸化すると過酸化脂質を生じ、肌トラプルの原因になることが知られています。
また、ざ癒様皮疹に対してステロイド含有外用剤や保湿剤などを用いますが、塗布後24時間以上経過すると、外用薬の基材が酸化して皮膚に悪影響を及ぽすことがあります。
ざ癒様皮疹は、急速に悪化する毛穴に一致したニキビ様の皮疹を特徴とし1、一般的には無菌性2と言われています。しかし、皮廣には常在菌が多く存在し、ざ癒様皮疹が出現している肌はバリア機能も低下しているため、洗顔時の刺激によって、炎症や細菌感染を引き起こすことが懸念されます。
そこで、特に立体的なざ瘡が散在するときは、摩擦や圧迫なとの剌激をできる限り避ける配慮が必要となります(表)。ついいつもの癖で、ゴシゴシこすってしまうという患者さんには、「自分の顔を産まれたばかりの赤ちゃんの肌だと思ってケアしてみてください」と、アドバイスしています。
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